Il mio nome è Nessuno

ミスター・ノーボディ

コメディなのか本格マカロニなのか、どっちつかずで中途半端な気分にさせられる、マカロニウエスタンの終焉に一発花火を上げると謳うにはちょっと残念な一本。
ちょっと早回し気味な気もするが、達者なガン捌きに加え、乗馬姿も決まっているのは、さすがレオーネ一派の作品だなと感心する。
そして劇判のモリコーネも盛り上げてくれる。主人公のテーマがホームドラマ調なのも面白い。これだけを聴けばモリコーネとは思えないだろうが、ワイルドバンチ150人衆のテーマはいかにもなモリコーネ節が炸裂している(本人によれば、いわゆるマカロニウエスタン調のメロディーはあくまでも余興であるというのをwikipediaで読んだような気がするんだが)。
しかしこのワイルドバンチの存在が残念さの原因の多くを占めている。こいつらの扱いが単なる記号でしかないのだ。劇判で強そうなイメージを植え付けるけど、実際は単に集団で走り回っているだけで、思いっきりヤラレキャラでしかない。
多くのエピソードに同じようなことが言える。殆どが主役二人の強さを盛り立てるためだけに存在しているようで、それらの羅列によって物語を組み立てているから散漫な印象を覚えてしまうのだ。
老主人公の酸いも甘いも嚙み分けた老獪な行動と、最後の小芝居はなかなか良かったんだけどな。
»»鑑賞日»»2019/09/12 U-NEXTにて

●原題:Il mio nome è Nessuno
●制作年:1973
●上映時間:116min
●監督:トニーノ・ヴァレリ
●キャスト:ヘンリー・フォンダ/テレンス・ヒル
●お薦め度:☆☆☆



◉十二人の怒れる男

言うまでも無い大傑作だが、主演がヘンリー・フォンダだったとは記憶にすっかりなかった。1954年制作だから、「ミスター・ノーバディ」とは約20年の開きがあることになるので、顔立ちに違いがあるのかな。
ヘンリー・フォンダは、西部劇では「荒野の決闘」という超有名タイトルにも主演している。そこからのパロディで「ミスター・ノーバディ」に出演しているんだろうと推測が出来る。

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